第1話 プログラマーになるまで

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ごく普通の家庭に長男として誕生する。


いなお「はじめましておぎゃー」


幼稚園ではスカートめくりの技術を磨く日々を過ごす。
その結果、いつの間にか、素早く行動するスキル”忍(シノビ)の心得”を身につける。


小学校では焼肉パーティーにつられまんまとサッカー部に入部するも、意外に才能を発揮し6年生になると副キャプテンに選ばれる。
(うおー副キャプテンーーよっしゃーーー!!)
喜びもつかの間、よく考えると6年生は3人しかいないことに気づく。


中学では毎日サッカーに明け暮れるが、家庭の事情で転校することに。
中学生ながらに人との別れの辛さを経験する。
親友との別れ。。。これは本当に悲しかった。


高校になると、友達の影響でギターに目覚めてバンド活動を開始する。
初めて弾いた曲はスピッツの「空も飛べるはず」(のイントロ部分のみ)


様々なジャンルの曲を聞くも最終的に、黒夢・NIRVANA・ハイスタ といったパンクロックにたどり着く。


しかしあまりにもパンクの影響を受けすぎて、周りと同じ道を歩むことを拒絶しはじめる。その結果、大学進学を辞めてギターの専門学校へ進むことに。


専門学校へ通うため大阪から東京に引越すも、標準語に飲み込まれて関西弁と標準語を融合させた新たな言語を発するようになる。
このあたりでようやく、自分は周りから影響をもろに受けるタイプだと気づく。


なんとなく東京に馴染めず、学校を卒業するとすぐさま大阪へ帰る。


友達の影響で突如としてスロット生活がスタート。
毎日スロットに通い、たまにバンドする生活が2年ほど続くが、急に「このままではいけない!」という不安に襲われる。
自分には堕落ストッパーが備わっている模様。ストッパーが無ければいまもスロット生活を送っていたのだろうか・・・


そうこうしているうちに物流系の倉庫でバイトを始めるも、ある日、同僚のきたないおっさんが冷凍庫内で立ちションしているのを目撃し、所長に「こんなイカれたおっさんとは働きたくない!!」とその日で退職。
この頃はあまり思ったことを口に出さないタイプだったが我慢できなかった。


その後マンションなどのポストへチラシを配るバイトを始めるが、歩くスピード、チラシをポストへ入れるスピード、と結構な素早さが求められる仕事だった。


しかしバイトを始めてすぐに、圧倒的なスピードで他と実力の差を見せつけリーダーの立場を獲得。幼稚園時代に身につけたスキル”忍(シノビ)の心得”がスカートめくり以外で初めて輝いた瞬間だった。


ところが人生というやつはうまくできていて、調子に乗っているとしっかりと谷底まで突き落としてくれるようだ。
ある日ポストに指がはさまったのだが、あまりのスピードで右手中指の先っぽを切断しかける。皮1枚残ってセーフくらいの勢いだったと思う・・・


すぐさま病院へ駆けつけた。


医 者「一応、縫うけどくっつくかどうかやってみないとわからんよ^^」
いなお「((((;゜Д゜)))」


ていうかマジで麻酔痛すぎた。ちぎれかけの指先に直接注射するとか泣きそうだった。あの西成の病院は一生忘れない。


この事件をキッカケにチラシ配布員ではなくドライバーに任命される。
車の運転がうまくなる。
ちなみに右手中指の先っぽはというと、奇跡的にもくっついた模様。(いまだに半分自分の指じゃない感覚だけど・・・)


またこの頃からPCに興味を持ち始めるも、
FF11というオンラインゲームにはまり、引き篭もり生活がスタートする。
ここには詳しく書かないがしっかりと生活費は稼げていた模様(怪)


約2年間の引き篭もり生活に終止符を打ち真面目に働くことを決意する。
ドライバー経験を活かして配達ドライバーの仕事を始めるも、IT業界への興味が止まらず半年で退社。運転は結構好きなんだけどねえ。


そして遂に!!念願のIT関連の会社への就職を果たす。


しかし、蓋をあけると業務内容はクレジットカード決済端末機の設置と操作説明で、思い描いていた仕事と違い半年で退社。特に人とがっつり話さないといけない操作説明が苦手すぎた。
このときから人とコミュニケーションをとる仕事に抵抗を抱くようになる。


(ほとんど人と話すことなくPCでカタカタする仕事がしたい・・・)


そんな風に考えているうちにプログラマーという職業があることを知り、「これしかない!」と勝手に思い込み、プログラマーになることを決意する。
そうしてプログラマーの募集を探すと、、、


かつて自分が約2年間も引き篭もるほどに、はまりにはまってはまり尽くしたオンラインゲームFF11の製作会社スクエアエ・ニックスの求人がそこにあった。


すぐさま応募すると、数日後には手紙が返ってきた。
中身を見るとなにやら偉い人が返事を書いてくれているようだった。そこには丁寧な文章でいろいろと書かれていたが、ようするに


偉い人「未経験?はあ?独学でもなんでもいいからしっかりとした経験つんでから出直してこいよ^^バカなの?」


ぼくはこのように理解した。


あきらめて未経験の募集を探すことにした。


意外なことに探してみると未経験の募集はわりと多く、
通勤が楽そうな近くの会社に応募してみると、無事に書類審査をクリアできた。今回は偉い人から手紙が届くことはなかった。


安心もつかの間、続く1次試験にてプログラマー適正試験なるものを受けることに。そこには見たこともないような問題がズラり。


(なんだ・・これは・・・?!全く意味がわからないゾ・・・)


未経験の募集とはいえプログラマーへの道には適正試験という名の壁がそこにはあった。その壁は自分にとって大きすぎた。絶望するには十分すぎるほどに巨大な壁だった。


数日ほど絶望状態のまま過ごしていたある日、自分の中にいるもうひとりの自分が目醒めた。


「やる前から絶望するなんて大したことねーなお前は」


このたった一言で覚醒することになる。


ここで少し説明しておくと、昔からなんだけど、自分には1年に1回くらい覚醒モードが訪れることがあって、1度覚醒すると1~2ヶ月ほどは超ポジティブ思考の状態が続くという謎のバイオリズムがある。(裏を返せば情緒不安定とも言えるが・・・)


こうしてなんとかもう1度プログラマーにチャレンジする気力が戻ったので、次こそはと適正試験対策を考えてみるも何をしていいのかわからず、とにかくプログラマーや業界について調べまくることにした。


ひととおり把握できた気になったので、2度目の応募を行った。前回とは別の会社に応募することにした。


対策がうまくいったのか、見事に適正試験を突破できた。やはり覚醒モード中は無敵だな。


そして次はいよいよ最終面接。


心臓がバックンバックンしている。プログラマーへの道がすぐ手の届きそうなところまで来ていると思うほど、ますます鼓動が激しくなる。


そして静かに最終面接が始まった。


面接官「エクセルは使えますか?^^」
いなお「(知らないけど)はい!使えると思います^^」


よくわからない質問をいっぱいされたけど、すべて「できると思います^^」で乗り切った。覚醒モードに不可能はない!


そして遂に・・・
晴れてプログラマーへとジョブチェンジを果たす。




ようやくもうひとりの自分に応えることが出来た。